「雨ジャブジャブ!」

4月30日(火)早朝、午前6時ごろ、トイレに立つ。
何か体がだるく、そのまま二度寝。午前9時半ごろ、起床。

午前10時、トワ(永遠)の散歩で、玄関を出た途端、曇天から小さな雨滴がポツリポツリと落ちてくる。
「あー、トワよ、雨だ、ジャブジャブになるかなー!?」

トワは幼少の頃から、ややもすれば雨中でも平気で歩きまわり、駆けめぐる。
しかし私としては、全身泥まみれになった彼を洗い流す難儀はできるだけ避けて通りたかった。
数年前から、彼の散歩のたびに雨が降れば、私は「雨ジャブジャブ!」を連呼して、彼に散歩の中止ないし休止を促しつづけた。やがて彼は、雨が降り出し、私の「雨ジャブジャブ!」の言葉が響けば、決まって〈散歩をどうしようか〉[散歩をするべきか、散歩をやめるべきか]と思い迷い、しばらくの間、予定の行動に踏みきるのを躊躇するのだった。

私の発した「雨だ、ジャブジャブになるかなー!?」の一言に、彼は一瞬、心配そうに私の顔色をうかがった。
〈どうする…?お散歩はやめてしまうの…〉
私は天を仰いで、「この小雨はまもなく止むか、それとも本降りになるか?」と独りごちた。
そして、決断を下した。「…よし、トワ!この天気なら多少は降っても、そのうちパッと上がるだろう。傘をさしながら、お散歩しよう!」
彼は喜びを全身に湛えながら、自宅から井の頭公園に向かって、転がるように走りだした。

その後、雨は案の定、時折パラパラと降るだけで、いつのまにか止んでいた。
彼と私は連れ立って約2時間、規則的な歩調で、三角広場→神田川沿い遊歩道→三鷹台駅を4往復し、さらに吉祥寺住宅街をとりとめなく歩き回る。